風信子だより

ここでは、仙台東教会が毎月発行している「風信子(ひやしんす)だより」を掲載しています。牧師や教会員の方の記事を中心にした月報です。

2017年11月26日 ( 日 ) 全国説教塾30周年記念シンポジウム報告


 
  全国説教塾創立30周年記念シンポジウム報告

 2017年11月20日(月)から23日(木・休)にかけて、代々木で説教塾30周年のシンポジウムが参加者約百名で行われました。30年前に加藤常昭先生の説教演習で学んだ東京神学大学の卒業生たちが中心となって、加藤先生を囲んで説教の学びを始めたのがきっかけでした。その7,8人のメンバーの中に、先月の仙台東教会創立122周年記念礼拝で説教をしてくださった東北学院大学総合人文学科教授である佐藤司郎先生(当時は信濃町教会牧師)や、何度か礼拝に出席された宮城学院学長嶋田順好(まさよし)先生がおられたそうです。会場は、当時嶋田先生が牧会されていた中渋谷教会の集会室だったそうです。以来、30年。世界的にも稀有な説教者集団である説教塾に加藤先生を慕って多くの塾生たちが集いました。当時加藤先生は、吉田松陰が開塾した「松下村塾」をもじって「説教塾」と名付けたそうです。現在では30を超える教派から280名の塾生が集い、日々、宣教のため、説教の研鑽に励んでいます。
 しかし、説教は研鑽を積めば上手になるとか、努力すれば多くの人を感動させる説教を語れるか、というとそのようにならないところが、難しいところです。説教塾の交わりは、様々な方法を用いて、伝道の業を広げる試みを発するところでもあります。
 その中心は、17の地域に分かれて研鑽する地方説教塾の働きです。地方説教塾は、毎月、或いは隔月に例会を行い、どなたかの説教を聴き、批評します。また、説教に関わる読書をしたり、一つのテーマについて研究作業をすることもあります。また、さらに何か所かで説教セミナーを開催します。私が参加する説教セミナーは、盛岡セミナーと北海道説教塾セミナー。教会を持ち回りで行う東北説教塾例会の世話人です。

  
セミナーでは、聖書テキストに基づいて、第一の黙想と呼ばれる作業をします。聖書テキストと徹底的に向かい合うのです。そして、そのテキストへの共感、違和感、さまざまな感想を抽出します。最終的な説教に至る道の最初の段階です。そのあとにテキストの釈義をおこないます。神学的な検証を施すわけです。そのあとに説教に近づくための第二の黙想と呼ばれる作業をいたします。ここでは、文章にしたり、説教に近い作業をしたあと、いよいよ説教作成にとりかかります。ここから先は、説教者によってずいぶん違うのではないでしょうか。原稿のない人もいれば、私のようにほぼ完全原稿に仕上げる人もいます。
何と言っても、説教の最終目的は原稿を読まないということですから、その目標のためには原稿を捨てて、聴き手と真向かう必要があります。第二の黙想には、聴く人たちへの黙想もあります。テキストは同じでも説教を聴く人々は、教会によって異なります。聴いている方々を思いながら、説教を語ることは教会にとって必要です。
 少しだけ、説教作成の作業工程を示しましたが、説教者には個性あります。言葉があります。表現力、感受性、育ってきた環境。年齢、性別、レトリック、ボキャブラリー…。「神の言葉の説教は神の言葉である」(第二スイス信条)という主張こそ説教塾のモットーですから、技術的なことはもとより、その説教者が全人格をかけて、聖霊の導きをいただき、熱情を込めてテキストの解き証しを語る、説教にはそのことが大切です。
 プロテスタント教会の中心は説教です。その説教を学び続ける説教者を教会の皆さまは、サポートしていただきたい。今回のシンポジウムにおいて、ますますその意を強くいたしました。  (牧師 中井利洋)
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